西国三十三所21番 菩提山 穴太寺
京都府亀岡市にある穴太寺(あなおじ)は慶雲2年(705年)創建と丹波屈指の古刹。
亀岡ののどかな田園地帯にある比較的こじんまりとしたお寺ですが、京都府指定名勝である「池泉築山式庭園」や、自分の悪い所を撫でるとご利益があると云われる「なで仏」など見どころも多いお寺です。
札所本尊は聖観世音菩薩。この観音様、ある伝説から「身代り観音」とも呼ばれ信仰を集めています。
身代り観音の逸話
慶雲2年(705年)に文武天皇の命で大伴古麿によって創建された穴太寺。当初、本尊には薬師如来を安置していましたが、約250年後に聖観世音菩薩も札所本尊として祀られるようになりました。
聖観世音菩薩が札所本尊とされ、「身代り観音」と呼ばれるようになった逸話があります。
「今昔物語」にも残っているその逸話がこちら。。。
以来、この像は「身代り観音」として信仰を集めています。
穴太寺の境内には、宇治宮成の墓と伝わる墓所があります。
現在の札所本尊は、胸の傷とともに同じお姿に摸刻された観音像がお祀りされています。
札所情報
穴太寺(あなおじ) | |
山号 | 菩提山(ぼだいさん) |
札所 | 西国三十三所第二十一番 |
宗派 | 天台宗 |
御本尊 | 聖観世音菩薩(札所本尊) |
本尊開帳 | 33年に一度 |
真言 | おん あろりきゃ そわか |
開基 | 大伴古麿 |
創建 | 慶雲2年(705年) |
御朱印

ご詠歌(ご詠歌の意味)
思
穴太寺お参りレポート
「穴太寺(あなおじ)」は亀岡ののどかな田園地帯にあります。
正面に見えるのが穴太寺。
100m程手前に駐車場(500円)があります。
京阪京都交通バスのバス停「穴太寺前」もここです。
山門
こちらが穴太寺の仁王門。江戸中期頃に再建されたもので、千社札がたくさん貼られていました。
仁王像も同じく江戸中期頃のもの。
本堂
山門をくぐると正面に本堂。
穴太寺は度重なる火災で創建当初のものは残っておらず、ほとんどが江戸中期に再建されたものです。
現在の本堂も享保20年(1735年)に再建されたもの。
手水舎はコロナ対策でしょうか、使えなくなっていました。
穴太寺の御本尊は薬師如来、こちらは完全な秘仏で過去に開帳した事はありません。
札所の御本尊の聖観世音菩薩(身代り観音)も秘仏ですが、開帳は33年に一度。
最近では2010年に開帳されているので、次の開帳は2043年かな⁉ 23年後です。。
線香立てと、本堂の扉には寺紋の「梅鉢紋」がデザインされています。
本堂に貼られた無数の千社札がかっこいい。
ああいう高い所にはどうやって貼るんだろう?
納経所
本堂の隣が納経所です。
ベンチと屋根があるのでちょっと休憩にもgood!
穴太寺オリジナル商品があったのでご紹介!
■角大師 厄除御守札 1000円
穴太寺の厄除御守りのお札。
■直筆散華台紙 2000円
和紙の中に花や葉が入っている⁉手作りの散華台紙。素敵!
境内
穴太寺の鐘楼は残念ながら撞くことは出来ません。
カメヤマローソクのベンチが昭和っぽくていいカンジ!
多宝塔は京都府指定文化財で、亀岡では唯一の木造塔。
本堂内を拝観するには、本堂左手にある円応院で受付をします。
本堂内拝観
こちらが円応院入口。
本堂では、涅槃像の「なで仏」を撫でる事が出来ます。
本堂の格天井は狩野派が描いた花鳥図で飾られています。
拝観される方は是非忘れずに天井もご覧くださいね。
庭園のみ 300円
本堂+庭園 500円
この渡り廊下の先が本堂の中です。
残念ながら本堂内は撮影禁止。
なで仏(釈迦涅槃像)
本堂内は撮影出来ないので、穴太寺で頂いたパンフレットの涅槃像をパシャリ。
檜材の寄木造りで、作られたのは鎌倉時代。日本では涅槃像の彫刻はとても珍しいですね。
等身大の釈迦涅槃像は、通称「なで仏」と呼ばれ、万病治療の信仰を集めています。
自分の体の悪い部分と同じ部分をを撫でるとご利益があるといわれ、参拝者に撫でられるお像は、全身つるつるで、ピカピカに光っていました。
なで仏はお布団を掛けられていますが、撫でたい所があればお布団をめくって撫でてOKです。
一度終わったのに、「あっ、肩も悪かった!」「あっ、目も悪かった!」とか何回も戻って撫でさせていただきました(笑)
釈迦涅槃像の発見
実はこのなで仏様、発見にまつわる不思議な逸話があります。。。
それ以来、病気平癒の仏として信仰を集めています。
丹波随一!名勝の庭園
穴太寺に来たら是非この素敵なお庭を鑑賞していただきたい!
丹波地方随一の呼び声も高い桃山風の池泉築山式庭園です。
江戸時代中期に作庭された庭園は、京都府指定名勝。
多宝塔を背景に見るお庭、池にはかわいい錦鯉が優雅に泳いでいます。
この角度からも、右に松が入ってカッコいい!
そんなに人もいなかったので、縁側に腰を掛けゆっくりお庭を楽しむことが出来ました。
書院造りの円応院、欅の一枚板で造られた欄間彫刻などお部屋を見て回るのも楽しかったです。
お立ち寄りスポット
彼岸花の里
穴太寺の周辺は田園地帯で、時期にはどこを見ても田んぼのあぜ道に彼岸花がたくさん咲いています。
真っ赤な彼岸花が群生する景色は圧巻です!
彼岸花を見るのって子供の頃以来かも!?
昔は“お墓に咲く不吉な花”って言われてたけど、、今はどうなんだろ?
最近では、「鬼滅の刃」のエンディングでもお馴染みですよね。
この日は10月4日ですが、まだキレイな彼岸花がたくさん咲いていました。
これはわざわざ見に行く価値ありですね!
一眼レフを持った写真家⁉の方もたくさん撮影に来られてましたよ!
■場所 穴太寺周辺(京都府亀岡市曽我部町)
■時期 9月中旬~下旬(1~2週間)
亀岡の名木「原田邸のセンダン」
穴太寺の駐車場の少し手前にすっごく大きな木があったので、見に行ってみると“亀岡の名木”と立て札がありました。
◆原田邸のセンダン◆
幹周・・・4.4m
樹高・・・17m
京都府下のセンダンでは最大との事!
5~6月頃には紫紺色の花が咲くそうです。
お寺案内
駐車場
すごく広くて停めやすい駐車場。
京阪京都交通バス「穴太寺前」のバス停もここですよー。
■駐車台数 50台
■料金 500円
アクセス
車でのアクセス
■京都縦貫自動車道[亀岡IC]→国道478号線→府道406号を4分(1.5㎞)
公共交通機関でのアクセス
■電車とバス
JR嵯峨野線[亀岡駅]→京阪京都交通バス【穴太寺線59】で18分「穴太寺前」下車
お寺情報
寺院 | 穴太寺(あなおじ) |
拝観時間 | 8時~17時 |
拝観料 | 境内自由 本堂のみ 300円 庭園のみ 300円 本堂+庭園 500円 |
駐車場 | 500円 |
HP | なし |
住所 | 〒621-0029 京都府亀岡市曽我部町穴太東ノ辻46 |
Map |
まとめ
西国札所の中では比較的こじんまりとしたお寺ですが、見どころも多く、いろいろ不思議な逸話などもあり、とても印象的なお寺でした。
中でも庭園はオススメです!また違う季節のお庭も見てみたいですね。
※掲載されている情報については最新の情報とは限りません。ご自身で事前にご確認の上ご利用くださいませ。
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