西国三十三所20番 西山 善峯寺
京都市西京区にある善峯寺(よしみねでら)は、釈迦岳の中腹、標高310mの高所に位置しています。
境内は3万坪、一週約40分の回遊式庭園になっており、桜、あじさい、秋明菊、紅葉など四季折々の花々が楽しめる「花の寺」としても有名です。
御本尊は、千手観世音菩薩。
応仁の乱で堂塔伽藍を消失しましたが、5代将軍徳川綱吉の母、桂昌院によって復興したお寺です。
源算上人伝説
善峯寺の開基は、恵心僧都源信の高弟の源算上人。
この開基の源算上人、生まれてすぐ捨てられますが、憐れんだ村人に育てられ、9歳で源信の一門に入ります。一度還俗し、ふたたび仏の道に入ったのは45歳の時。
そして長元2年(1029年)47歳の時、西山に小堂を建て、堂宇を築き、自作の千手観音像を安置したのが善峯寺の始まりです。
この善峯寺建立の面白い逸話があります。。。
5年後の長元7年(1034年)、後一条天皇より「良峯寺」の号を賜ります。
長久3年(1042年)後朱雀天皇の勅命で、東山の鷲尾寺の千手観音像を本尊とし、源算自作の千手観音像は脇本尊として祀られるようになりました。
源算上人は入山後70余年の修行を経て、117歳で生涯を終えます。
札所情報
善峯寺(よしみねでら) | |
山号 | 西山(にしやま) |
札所 | 西国三十三所第二十番 |
宗派 | 天台宗単立 |
御本尊 | 千手観世音菩薩 |
本尊開帳 | 1/1~1/3、毎月第2日曜日 |
真言 | おん ばざら たらま きりく そわか |
開基 | 源算上人 |
創建 | 長元2(1029)年 |
御朱印
ご詠歌(ご詠歌の意味)
野をもすぎ 山路にむかふ 雨の空
よしみねよりも 晴るる夕立
善峯寺お参りレポート
善峯寺は標高300mに位置するので、お寺への道はすごい急坂です!
アクセルべた踏みくらいの所もあるくらいで、普段山道を走らない方などは、ちょっと怖いかもですね。。
乗用車で来られた方は、山門近くの山門前駐車場に停めれるので、駐車場から緩やかな階段を登るとすぐ山門です。
バスは山門前駐車場まで上がれないので、山門前駐車場より400mほど手前のバス駐車場から山の中の階段を歩いて山門まで行きます。
山門
階段を登ると立派な山門!
正徳6年(1716年)建立のこちらの山門も桂昌院が寄進したものです。
運慶作と伝わる金剛力士像は、源頼朝により寄進されたもの。
訪問したのは10/4だったので、シュウメイギク(秋明菊)が見頃でした。
境内には5000本のシュウメイギクが植えられています。
石段の上に見えるのが本堂。
本堂から見る山門。・・カッコいい!
本堂
桂昌院寄進の本堂は元禄5年(1692年)の建立。
本尊の千手観世音菩薩は、仁弘法師作で、西国札所19番の行願寺革堂の千手観音と同木(上賀茂神社の霊木)で造られたものと云われています。
御本尊は秘仏ですが、1/1~1/3と、毎月第2日曜日に開扉されています。
ですが、残念なお知らせ。。。
御本尊を拝まれたい方はお急ぎを!
開基の源算上人自作の千手観音像は、京都洛西観音霊場の第1番札所の本尊となっています。
善峯寺は靴を脱いで、本堂内に上がってお参りすることが出来ます。
あらっ、納札入の横になんか可愛いオブジェが!!
何ですかコレは!?
「お守り納めどころ」でしたー!
“桂昌院様の名前「お玉」にちなんで、三匹の子犬が「玉の輿」を担いで皆様の幸せを願っております。” との事。
かわいい三匹の子犬なのは、なんでなんだろ?「犬公方」と呼ばれた綱吉のイメージかな!?
納経所
納経所は本堂の左側にあります。
本堂には授与所もありました。
善峯寺てっぱんお守りと、善峯寺オリジナル商品をご紹介!
■しあわせ地蔵さま 550円
境内にある「幸福地蔵」の土鈴。
■日本手拭い 日本一遊龍の松 450円
善峯寺のご詠歌と「遊龍の松」が描かれた手拭いです。
■善峯寺オリジナル 鯉手拭い 1000円
片岡鶴太郎さんが、開運出世の象徴である鯉を描いた手拭いです。
■開運厄除 京くみひもストラップ守り 1200円
善峯寺御本尊「千手観音御守護」
■おちないお守 1000円
善峯寺といえばこれ!入試合格、交通安全
■神経痛、腰痛 御守り 1000円
善峯寺といえばこれ!あらゆる痛みに當病悉徐
遊龍の松
善峯寺に来たら是非見てほしいのがコレ!
国の天然記念物に指定されている樹齢600年以上という五葉松。
地を這うように伸びる松は、臥龍の遊ぶ様に見えるその姿から「遊龍の松」と命名。
この遊龍、実物を見るとほんとにスゴイ!よくここまで育てたなってくらい長いんですが、実は以前は50mあったのですが、松くい虫の被害にあい15m切断されて現在37mとなっております。
1本の幹が左右に伸びてるってカンジ!?
高さは2m程なんですけど、それが逆にカッコいい!
パノラマで撮ってみたんだけど、その全貌は写真には収まらないです。恐るべし遊龍。。
鐘楼(厄除けの鐘)
貞享3年(1686年)桂昌院により寄進。
5代将軍綱吉の厄年に寄進されたことから「厄除けの鐘」と云われています。
こちらの鐘は撞くことが出来ますよー!(冥加料50円以上)
善峯白山・櫻あじさい苑
今はシュウメイギクが咲いていますが、春には桜、6月には色とりどりのアジサイが見られます。
櫻あじさい苑にある、幸せをまねくお地蔵さんこと「幸福地蔵」は、“自分以外の幸せ”を願います。
「幸福地蔵」のお堂から見下ろす櫻あじさい苑。
1万株のアジサイが満開の光景は圧巻です!見頃は6月中旬~7月上旬。
6月末まで紫陽花にとって恵みの雨予報となっています。
境内における紫陽花の見頃は6月末まで続き、7月初旬には盛り過ぎとなりそうです。 pic.twitter.com/M3YgMqq92P— 京都 西山 善峯寺(よしみねでら) (@yoshimine1029) June 25, 2020
多宝塔
左手の塔が、国指定重要文化財の多宝塔(元和7年(1621年)建立)。
右に見えるのが経堂。多宝塔と経堂の間には「遊龍の松」も見えています。
「遊龍の松」の右手には、樹齢300年の桂昌院手植えのしだれ桜があります。
ここ数日の暖かさにより、桂昌院お手植えしだれ桜が見頃を迎えました。例年に無く早い見頃です。
釈迦堂南側のしだれ桜も見頃、山門付近の山桜は咲き始め、境内平均での桜開花は3分咲きです。
3.28現在の桜開花状況詳細は下のリンクをご覧下さい。https://t.co/4Rex3JFhox pic.twitter.com/qb5c9yh1Jd— 京都 西山 善峯寺(よしみねでら) (@yoshimine1029) March 28, 2020
釈迦堂
釈迦堂の本尊は、源算自作とされる釈迦如来の石像。
この釈迦如来の不思議な逸話がこちら。。。
この霊験から、現在も神経痛や腰痛のお寺として信仰を集めています。
薬師堂
この階段の上に見えるのが、元禄14年(1701年)建立の薬師堂。
薬師堂の本尊は、桂昌院の養父が信仰し、桂昌院の出世をもたらした事から「出世薬師」と呼ばれています。
残念ながらお天気がイマイチですが、、薬師堂まで登ると、京都市街が一望出来ます。
境内を歩いていると、緑の紅葉のトンネルが!すごい綺麗~!
この緑の紅葉が真っ赤に染まった景色がこちら。。。
今朝(11月25日)の写真です。
善峯寺では紅葉の見頃が12月初旬まで続きそうです。 pic.twitter.com/d3Sp65UQdw— 京都 西山 善峯寺(よしみねでら) (@yoshimine1029) November 25, 2019
お見事!善峯寺が一年で一番混雑するのが紅葉の時期というのも納得の景色ですね。
お寺案内
駐車場
駐車場は2階建ての様になっています。
■駐車台数 150台
■料金 500円
アクセス
車でのアクセス
■京都縦貫道[長岡京IC]→18分(丹波街道→府道208号)
公共交通機関でのアクセス
■電車とバス
JR京都線[向日町駅]→阪急バス【66系統】で34分「善峯寺」下車→徒歩8分
■電車とバス
阪急京都線[東向日駅]→阪急バス【66系統】で27分「善峯寺」下車→徒歩8分
※冬季の間(1/6~2/末)は「小塩」バス停発着となります。
お寺情報
寺院 | 善峯寺(よしみねでら) |
拝観時間 | 8時~17時(16時45分受付終了) |
拝観料 | 大人 500円 高校生 300円 小中学生 200円 |
駐車場 | 500円 |
HP | http://www.yoshiminedera.com |
住所 | 〒610-1133 京都府京都市西京区大原野小塩町1372 |
Map |
まとめ
四季折々の花が鑑賞でき、いつの季節に行っても楽しめるお寺です。
回遊式庭園は普通に周って40分くらい、ゆっくり見て周るのであれば1時間は見ておいた方がいいと思います。
冬場は路面凍結や積雪もあるので、車は注意が必要です。冬場はバスも2㎞弱手前のバス停までしか行かず、その距離を歩くことになります。
是非、また違う季節に再訪したいお寺です。
※掲載されている情報については最新の情報とは限りません。ご自身で事前にご確認の上ご利用くださいませ。
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